――今回のゲームマーケットはどうでした?
ロドリゲス 3年前から毎年来てるんだけど、成長して大きくなってきているのが手に取るようにわかるね。日本にはゲームデザイナーがとてもたくさんいる。だから日本に来て新しいゲームを探すのはとても楽しいね
――フランスには同人サークルやインディペンデント会社のようなものはないんですか?
ロドリゲス まったくないね。フランスでは4つの大きな会社があって、その他に15社くらいの中小メーカーがある。ゲームデザイナーは大きな会社に企画を持ち込んで商品にするんだ。日本ではゲームデザイナー個人が会社みたいなものなんだろ?
――同人ゲームのことですね。
ベルトランド フランスにはそういう文化がないからね。活躍してるゲームデザイナーは5~10人しかいないんだ
――では日本とフランスのボードゲームシーンもだいぶ違いますか?
ベルトランド まったく違うよね
ロドリゲス ああ、フランスでは毎週、週末に5千人~1万人集まるような規模のボードゲームのイベントがあるんだ
――えっ、毎週?
ロドリゲス そう。毎週だよ
――ちなみにフランスと日本ではイベントの雰囲気は違いますか?
ロドリゲス 日本は男性が多いね
――ははは。やっぱりそうですか。
ロドリゲス まあフランスも10年前は95%が男だったんだけどね。でも今は30~40%くらいは女性になってるね
――それはなにがきっかけで変わったんですか?
ベルトランド やっぱりカジュアルなゲームが人気になったことが大きいね
ロドリゲス それこそ10年前まではフランスでもコアなゲーマーズゲームが主流だった。でも最近はパーティゲームが増えてきた。それが影響してるんじゃないかな
――『ディクシット』が大流行したのは知ってるけど、それ以降、何が流行ってるんですか?
ベルトランド 『ジャングルスピード』だよ
ロドリゲス あと最近は『ドブル』というゲームがすごく流行ってる。パーティゲームばかりが人気だよ
――ところでフランスのヘビーゲーマーたちはどうしてるの?
ロドリゲス 今のフランスには10~20%しかヘビーゲーマーのマーケットはないんだ。話題のコアゲームでも販売数は5千個くらいだよ。でもファミリーゲームは10万個くらい売れちゃうからね
――まあコアゲーマーが減ったというよりは、パーティゲームの販売数が急激に増えたってことなんだろうけど、すでに比べものにならない数ですね。ところでドイツの有名デザイナーのゲームの売れ行きはどうなんですか?
ロドリゲス 正直、結構厳しいね
――そうなんだ・・・。じゃあ最後に今回、気になったゲームを教えてください。フランスで発売できそうなゲームはありましたか?
ベルトランド それは秘密だよ。でもいいものはいくつもあったよ
ロドリゲス 僕たちのアナウンスを楽しみに待っててほしいね
通訳 けがわさん