フランス人が見たゲームマーケット2012|インタビュー

――今回のゲームマーケットはどうでした?

ロドリゲス 3年前から毎年来てるんだけど、成長して大きくなってきているのが手に取るようにわかるね。日本にはゲームデザイナーがとてもたくさんいる。だから日本に来て新しいゲームを探すのはとても楽しいね

――フランスには同人サークルやインディペンデント会社のようなものはないんですか?

ロドリゲス まったくないね。フランスでは4つの大きな会社があって、その他に15社くらいの中小メーカーがある。ゲームデザイナーは大きな会社に企画を持ち込んで商品にするんだ。日本ではゲームデザイナー個人が会社みたいなものなんだろ?

――同人ゲームのことですね。

ベルトランド フランスにはそういう文化がないからね。活躍してるゲームデザイナーは5~10人しかいないんだ

――では日本とフランスのボードゲームシーンもだいぶ違いますか?

ベルトランド まったく違うよね

ロドリゲス ああ、フランスでは毎週、週末に5千人~1万人集まるような規模のボードゲームのイベントがあるんだ

――えっ、毎週? 

ロドリゲス そう。毎週だよ

――ちなみにフランスと日本ではイベントの雰囲気は違いますか? 

ロドリゲス 日本は男性が多いね

――ははは。やっぱりそうですか。

ロドリゲス まあフランスも10年前は95%が男だったんだけどね。でも今は30~40%くらいは女性になってるね

――それはなにがきっかけで変わったんですか?

ベルトランド やっぱりカジュアルなゲームが人気になったことが大きいね

ロドリゲス それこそ10年前まではフランスでもコアなゲーマーズゲームが主流だった。でも最近はパーティゲームが増えてきた。それが影響してるんじゃないかな

――『ディクシット』が大流行したのは知ってるけど、それ以降、何が流行ってるんですか?

ジャングルスピード

ベルトランド 『ジャングルスピード』だよ

ロドリゲス あと最近は『ドブル』というゲームがすごく流行ってる。パーティゲームばかりが人気だよ

ドブル

――ところでフランスのヘビーゲーマーたちはどうしてるの?

ロドリゲス 今のフランスには10~20%しかヘビーゲーマーのマーケットはないんだ。話題のコアゲームでも販売数は5千個くらいだよ。でもファミリーゲームは10万個くらい売れちゃうからね

――まあコアゲーマーが減ったというよりは、パーティゲームの販売数が急激に増えたってことなんだろうけど、すでに比べものにならない数ですね。ところでドイツの有名デザイナーのゲームの売れ行きはどうなんですか?

ロドリゲス 正直、結構厳しいね

――そうなんだ・・・。じゃあ最後に今回、気になったゲームを教えてください。フランスで発売できそうなゲームはありましたか?

ベルトランド それは秘密だよ。でもいいものはいくつもあったよ

ロドリゲス 僕たちのアナウンスを楽しみに待っててほしいね

通訳 けがわさん