老害×クロスレビューイカれたゲームモンスターたちがゲームの感想をひたすら綴るボードゲームレビュー。第4回は今年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた2作をレビューしてるんですが、ザ・マインドのレビューに関しては、例の説明書の逆さの文章をチェックした人だけ読んでもOK。遊んだことない人や、逆さの文章なにそれ? という人には結構なネタバレがあるので注意。クリアするぐらい遊び倒したあと最後に読んで!

「いいゲーム」とか「面白かった」はもううんざり!
もっと濃いレビューが読みたい!

先日、久しぶりに再会した古参ゲーマーと話す機会に恵まれた。 まわりに最近老害呼ばわりされているんだと自笑を浮かべた彼は、こちらが聞いてもいないのに最近遊んだ新作ゲームについて、まくしたてるように語り始めた。
早口すぎてところどころ何を言ってるのかわからなかったが、知見に基づくピンポイントすぎる賞賛と、毒をたっぷり含ませた底意地の悪いジョークが、ない交ぜになったそれは、まさに批評と呼ぶにふさわしいものだった。
偏ったボードゲームの批評をもっと聞きたい。そう思い立ち、ウェブを見渡して見ても求めているものがなかなか見つからない。

じゃ、自分で作るかと、老害と呼ばれがちな人達にレビューをお願いして、クロスレビュー風にまとめてみることにした。
上がってきた原稿はどれも個性に溢れており、期待どおりの内容なのだが、みなさん書きたいことが多すぎて、ことごとく文字数がオーバーしてるって!
マニアから奇人まで、クセのある方々のゲームレビューをまとめて掲載する。前記の理由により人によっては長文すぎて読みにくい仕様となっておりますのでご了承を。でも、これこそが私が読みたかったレビューだ!


ザ・マインド

ヘブン&エール

原題:Heaven & Ale / デザイナー:Michael Kiesling&Andreas Schmidt / メーカー:日本語版 ホビージャパン、Pegasus Spiele

プレイ人数:2人~4人
プレイ時間:60~90分
対象年齢:12歳~

ドイツ年間ゲーム大賞2018で大賞を受賞した「アズール」の作者、ミハエル・キースリングと、「ポルタ-ファス」のアンドレアス・シュミットによる共作。個人ボードにタイルを配置して得点を稼ぐ。こちらもドイツ年間ゲーム大賞2018ノミネート作。キースリングもウォルーシュと同じく今年、同賞に3作がノミネート。完全日本語版がアークライトから発売予定。


北のかませ犬 鹿

酒が好きだ! ビールが好きだ! ボードゲームも大好きだ! そんな私にとって酒造りがテーマのこのゲームは、なんとしても遊ばなくてはいけないゲーム。期待に胸を膨らませつつ遊んでみた。
ゲームはメインボードの資源タイル、修道士タイルを購入し、個人ボードに配置して決算を繰り返すことで資源やお金を稼いでいく。
個人ボードのトラックに置かれた5種類の資源マーカーと、醸造監督コマの、計6つの数値を上げていくことが目的。マーカーのスタート位置は資源によってそれぞれ違う。
ゲームではタイルを配置することで、この資源マーカーと醸造監督コマを進めていくのだが、最終得点を計算するときには、いちばん低い資源の数字に醸造監督コマのいる位置に書かれた「基本勝利点」をかけた数値が最終得点となる。つまり全体をできるだけ均等に上げていくことが重要だ。
最後には他の資源マーカーを戻すことで最下位の資源マーカーを進める。その際にも醸造監督コマの位置が重要になる。彼がいる位置によって、この資源の変換比率が変わってくるのだ。ここまで読んでわかったかと思うが、本当にもう文章での説明がややこしいったらありゃしない! 面倒だ! ほら一緒に同卓しよ、そしたら一回でわかるからさ! と言いたくなる。
気を取り直してざっくり言うと、この資源マーカーの管理がとても重要で、それぞれまんべんなくあげていくのが勝利のコツだ。私は見切ったぜ! とばかりにコツコツと資源を伸ばす。伸ばすためには金が必要、金のためには決算が必要、金ばっかり貯めてたら資源トラックが進まない・・・という無間地獄のような苦しみを味わう。
ゲームは醸造監督コマをマックスまで伸ばしたプレイヤーが、さらに上手いこと資源も調整して勝利。私じゃない!! 悔しかったので別の機会に再度遊び、今度は私がその醸造監督をひたすら育てる戦略を取ってみたのだが、ボーナスタイル(もう説明すらしていないけど)を集めたプレイヤーが結果勝利した。ぜんぜん勝てない!!
苦しいゲーム故に、一手が非常に悩ましい。一歩間違えば脱落というような局面が何度も訪れるただ今の私にはこの面白さをじゅうぶんに表現する語彙力がない。胸を張って言えるのは、このゲーム、ぜんぜんビールを作ってる気がしないよね!ってことぐらいだ。
だけど、もう遊びたくないかというと、まったくそんなことはなく、むしろすぐにでもまた遊びたい気分。でもこのゲーム特有のまったくテーマに沿ってないシステムを含めた、なんかやってるんだけど、なにやってるのかさっぱりわかんない奇妙な面白さはいくら遊んでも説明できないと思う。やっぱり同卓して軽く悪態つきながら遊ばないと伝えられない気がする。で、遊ぶときはもちろん本物のビールを味わいながらね!

ザ・マインド
北のかませ犬 鹿

プロフィール
札幌在住ボードゲーム歴2年目の新人。ポジティブゲーマー。好きなゲームは「ランカスター」「トラヤヌス」「ポンジスキーム」。

レビュアー紹介
ピュアなハートの道産子女子。老害たちを引き立てる〝かませ犬〟として無理を承知でレビューをオファー。で、まさかの快諾。なにかにつけて「いいゲーム」とか「面白い」とか書いちゃう、ありがちなレビューを期待していたのだが、どこかゆがんだ愛の溢れるテキストが届いたので最初の趣旨とは違うけど掲載。ゲーム歴2年目の何でもかんでも遊びたいざかり。

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捏造ボードゲーム考古学者 沢田大樹

2018年のいわゆるゲーマーズゲームシーンにおいて、ゲームというのは原則として2人ゲームのデザインをベースに作られており、3人以上であることの積極的な意味というのは、のび太を同じゲームの遊び仲間に入れられること、程度のものでしかありません。歴史的に見てシリアスなゲームというのはほぼ常にそういうものだった以上、これは単に平常運転に戻っただけのことではあるんですが、「強い奴が勝つゲームなんか遊んで何が楽しいんだ?」という少数派にとって、全員が等しく泥に塗れることを旨とするフリーク・ファミリー・ストラテジーがシーンを席巻した十数年間の青春は本当に栄光の一瞬というべきものだったので、そのような我々は青春の後の長い時間をどのように過ごしていくのか、態度の決定をそれぞれに求められているわけです。

キースリングのゲームを遊ぶ、それも「ヘブン&エール」を遊ぶというのは、シーンから背を向けることまではできない中でそれでも自分のゲームを遊びたい、という選択だと言えるでしょう。手元のインベントリ整理をメインとしつつアイテム取得は共有ボードから露骨な奪い合いによってのみ行われる、というのはキースリングにおいて過去にも見られたデザインではありますが、例えば10年前の「ヴァイキング」あたりと比較すると、前者のインベントリ部分の作りが、ソロゲームとしてもおそらく成立するほどテクニカルになっています。一方で共有部分は、フリーク・ファミリー・ストラテジーを構成する諸要素のうち唯一現在でも警察から利用認可が降りる【早取り】を、クニツィア「ツタンカーメン」そのままの形で用いており、ここはまあ過去に用いられて面白いことが分かっているメカニクスをそのまま用いればよろしいのではありませんか最早トリックテイキング等と同じく歴史的遺産と言って過言では無くすなわち共有財産ですよね、というのは幻聴としても、同じく早取りの亜種であるワーカープレイスメントが流行したときのような、メカニズムの中でデザインの技巧なり革新を見せる、という態度はここにはありません。

これでゲームのバランスがインベントリ整理側に寄っていれば安心して2018年の皆様にゲーマーズゲームの体でご提供できるその辺の商品になるわけですが、このゲームは実際にはバランスを大きく共有ボード側に寄せており、何しろ決算で得点や金銭を獲得する権利が有限個の早取り、回避手段無し、と来ています。これは「この辺でバランスを取ったものがゲーマーズゲームだということにしたい」というキースリングの熟慮の上の態度表明だと思います。思うんですが、同じキースリングのファミリー向けゲーム「アズール」がもっとずっと無邪気に1960sをやっててしかも何かきらきらしたマテリアル一発の力で大人気、という現状を考えると、何かきらきらしたもの入れとけば別にそういう配慮とか熟慮とか無くても成立させられたんじゃないの、という気がしてならないんですよね。みんな「フォールアウト」や「大鎌戦役」なら評価は置いといてとりあえず買うわけでしょ?
(評点は図の通りですが、アズールもう1点高くしとけば良かったかなと思いました)


ザ・マインド
捏造ボードゲーム考古学者 沢田大樹

プロフィール
我ら99%、ただし残り1%の手先。共謀罪絡みの報道を聞きながら、どっか手頃な国の永住権が半額セールになってたりしないかな、と通販サイトを漁っております。
ここ1-2年では「ポンジスキーム」(2015)と「四人の容疑者」(2016)の印象が強く残ってます。もちろん「フードチェーンマグネイト」(2015)も好きですが、たぶん他の人のラヴ具合に追いつけてません。

レビュアー紹介
「ゴーストップ」「スクエアオンセール」などのデザイナーでもあり、ニューゲームズオーダーの中の人として様々なゲームの日本語版制作を手がける。「重要タイトルで振り返る捏造ドイツボードゲーム20年史」はゲーマー必読の書。ドイツゲームに関する講演なども行っている。最近、東京ドイツゲーム賞で、「六次化農村」に独断で賞を与えて商品化したことでも話題に。日本ボードゲーム界の良心。翻訳を担当したディストピアSF-RPGの第3ルールブック『パラノイア【ハイプログラマーズ】』が発売中。

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浪速のリア充モンスター/ヨシダ

古今東西最高のコンビは?
ボードゲーム好きならクラマー&キースリング、音楽好きならレノン&マッカートニー、晩酌好きなら枝豆&ビールといったところでしょうか。
本作『 ヘブン&エール 』は先のキースリングがクラマー御大の手を離れリリースした新作タイトルになります。
ちなみにロック界最高のソングライターコンビ「レノン&マッカートニー」、クレジットは連名であっても必ずしも共作ではないという事実を皆さんご存知でしょうか。
実はデビュー時に揉め事が起こらないよう今後自分たちが作る曲はすべて連名表記にしようという取決めが交わされていたのです。事実初期の楽曲は共作のものも多いのですが中後期となると単独作も増え、その作風には明らかな変化が見え始めます。より色彩的広がりを求めるPaulに対し、内向的に削ぎ落されてゆくJohn。それでも解散を迎えるその日まで、先の取決めどおりクレジットは「レノン&マッカートニー」のままでした。

暮しとロッキンオン、そろそろ本題に戻ります。
ではボードゲーム界最高のコンビ、「クラマー&キースリング」はどうでしょう。
これもやはり各々の単独作に触れることで、2人のスタイルと方向性が少なからず見えてくるのではないでしょうか。

まずクラマーの作品でいうと正確には他者との共作ですがエルグランデなどでしょうか。
テーマとシステムの美しい融合、盤上で繰り広げられるダイナミズム!クラマーの印象はそんなところです。一方キースリングはと言うと、ヴァイキングやアズール等の単独作を鑑みるに、「パズリーな緻密さと得点タイミングの妙」そんなイメージが浮かんできます。

上記の視点でトーレス、メキシカ等の共作を改めて振り返ってみると、テーマとシステムの大枠をクラマーが描き、APの根幹とバランスをキースリングが組立て、そこに長距離ワープのダイナミズムをクラマーが付け加えた、そんな制作プロセスが想像できます。
で、このヘブン&エールです。もう確実にクラマー色ゼロです。テーマとシステムをなぞってもノー融合!ノー浪漫!

緻密でスマートなキースリング。新潮社からリメイクするならタイトルは絶対「月刊キースリング」。

とはいえユーロゲームとしての質は高く、得点化のジレンマ、個人ボード上のパズル的要素、タイル取得のインタラクション、すべてが高次元で絡み合うリプレイ欲を擽る作品だと感じました。

最後に「枝豆とビール」について。と、ここで重要な見落としに気付きました。
これまで終始「キースリング単独作」の体で話を進めていましたが箱をよく見ると「Andreas Schmidt」という名前が書かれています。何と、単独作ではありませんでした! Schmidtさんごめんなさい!
ちなみに「Schmidt」は英語で「Smith」の意。言われてみれば修道士タイルのおじさん、よく見るとモリッシーに似てますよね。あと「Polterfass」面白いですよね。これフォローになってますよね。

ザ・マインド
浪速のリア充モンスター/ヨシダ

プロフィール
大阪在住。でも心は琵琶湖。独身時代に収集した千枚以上のレコードやCDは結婚資金に消え、貯蓄していた老後の蓄えはボードゲームに姿を変えました。好きなジャンルは拡大再生産と'60,'70年代英国Mods。好きなアーティストはフヴァティルとThe JAM。近頃はトリックテイクに興味津々。

レビュアー紹介
ウッドベースのしらべと共に奴が来る! スーツスタイルでバンド活動とか、美女をはべらせてアウトドアとか、夢のような遊びと平行してゲームをたしなむリア充ゲーマー。ビルボードチャートやブランド牛の焼き加減と、エッセンのスカウトアクションが並列する脳内から発する考察が的を射てるのか否かは、鼻クソを食べながら公民館でゲームばっかやってる我々には判断不可能! でもたぶん間違ってる気がします。ていうか、頼むから間違っててくれ!

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ギークな住職 小野卓也

「ドイツではビールを飲んで車を運転しても事故を起こさなければ捕まらない」という話がある。半分が本当で、半分が嘘だ。血中アルコール濃度の基準が日本よりやや緩いこと(日本0.3mg/ml、ドイツ0.5mg/mlただし事故を引き起こした場合は0.3mg/ml)、平均体重とアルコール分解能力が高いことから、1杯ぐらいならば基準を下回り、酒気帯び運転とみなされないという事情がある(それでも違反時の厳罰化は進んでおり、飲酒運転する人は稀なようだ)。
このような緩さは、飲料水の確保が難しい中、代わりとなる飲料としてビールを醸造してきた「ビールは水代わり」の歴史と無縁ではないだろう。しかもその醸造所は、修道院に併設されていたという。ビールは神の恵みである。
ビールを作るのはたいへんだ。大麦の麦芽、風味を加えるホップ、発酵させるための酵母、きれいな水、樽となる木材、そして製造を司る監督が必要で、調達できないものがあるとその分だけ質や量が落ちる。このボードゲームは、これらを満遍なく調達できるかが勝敗のカギとなる。全ては美味しいビールのために。
これらをもたらすタイルを取るため、プレイヤーはメインボードを周回する。戻れないけれどもどこまで進んでもよいという緩さ。しかし取ったタイルを自分の荘園に配置するにはお金がかかり、お金はいつもカツカツである。緩いのにキツい。修道院では心の自由が得られるが、お金がかかることには必然的に制限がかかるのは世の定め。
また、配置したタイルは種類や数字ごと一気に使ってお金やビールの材料を生み出せるが、一度生産したパターンはゲーム中、二度と使えない。できればまとめて生産したいところだが、それまで資金が続くはずもなく、どこかで妥協しなければならなくなる。ここでも緩さとキツさが共存していて、まるで神様に見張られているかのようだ。
しかしこの緩さ=選択肢の多さと、キツさ=お金やルールの制限は、工夫を生み出すためにどちらも必要なものである。「求めよ、さらば与えられん。尋ねよ、さらば見出さん。
門を叩け、さらば開かれん(マタイ伝)。」ベストかどうかはわからないけれども、ベターだと思われる選択肢を本気になって考えるとき、最高のビールへの道筋が見えてくる。
神の導きは、待っているだけではやってこないことを教えてくれる。

ザ・マインド
ギークな住職 小野卓也

プロフィール
ボードゲーム情報サイトTable Games in the World管理人。テレビ東京『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』の「我が家の困ったコレクター」にVTRで出演。秘蔵のアダルトボードゲームコレクションが白日のもとに晒され、清水ミチコさんに「煩悩だらけじゃねーか」と突っ込まれた。

レビュアー紹介
ボードゲームジャーナリスト兼住職。「ノンリプレイ派」として遊び倒した経験に基づく知識と、議論術や論理学をベースに徹底分析した解説は理路整然。国際ゲーム賞International Gamers Awardsでアジア人初の審査員としても活躍。業界で問題が発生するとなぜか責任を押しつけられて炎上する人としても有名。


マスクドSG

ドイツ年間ゲーム大賞2018エキスパート部門ノミネート作のエール作りゲーム。
ワイン作りのゲームは今までも沢山プレイしてきたが、エール作りゲームは初めてである。
よーし、いっちょすげぇ旨いエール作ってやりますか!とワクワクしながらプレイ開始。
……しかしプレイ後に覚えていたのは、走り回って連れてきたおっさんをひなたぼっこさせるか日陰者にするかを悩んだ事だけだったという……めでたし、めでたし。
エールはいつの間に作っていたんだ。エールって、じつはおっさんの汗なのかな?
恐らく「エール」ではなく「ヘブン」の要素が強く出すぎてしまったのだろうと思うが、おっさんオンリー天国というのもかなりマニアックなヘブンである。

対して国産ゲーの酒作りゲームと言えば、やはり昨年話題をさらった『酒魅人』(スーパーナンバーワンゲームス)が挙げられるだろう。
このゲームは酒ばかりいくつも造る。というか酒造りしかしない。なにしろおっさんすら出てこない。酒造りに特化したザ・酒造りゲームだ。細かい行程の再現まではないものの、できあがった酒に不思議と愛着が湧き、SNSにアップしたくなる。「ヘブン&エール」に比べて、酒を造ってる気にはなる。ただ反対に「ヘブン」的要素は「祝福」や「神罰チップ」ぐらいしかないのでそこが致命的な弱点であろう。

そこで、足りないヘブン要素を補う意味で『真言カルタ』(さくらっこ商会)をラウンドの間にプレイする事を推奨したい。
このカルタは読み札として真言(うんちゃらなんちゃらソワカ みたいなやつ)を唱え、その真言に対応した仏の姿絵カードを取り合うという大変にありがたいゲームである。お手つき? そんな事したら仏罰がくだるはずだ。

『真言カルタ』を途中に遊ぶことでヘブン要素を搭載した『真言&酒』としてプレイすれば、神と酒の度合いどちらも『ヘブン&エール』に負ける要素はもはや無い。
『ヘブン&エール』は今年の年間ゲーム大賞にノミネートされた。だとすれば、もし、『真言&酒』が商品として完成していれば・・・と思いを巡らす。そろそろ取りに行こうぜ、あの頂きをよ!

ザ・マインド
マスクドSG

プロフィール
謎の国産同人仮面。袋ゲーを詰め込んだパンドラの箱が増えすぎて、押し入れという名の天岩戸から溢れ出そうとしている。その瘴気に当てられたのか、はたまた脳の経年劣化なのか、最近は特殊能力などの把握が覚束なくなり、ますますエンジョイ勢に近づきつつある日々。インスト5分以内のゲームをお待ちしております。
好きな漫画家は笠辺哲。最近のお気に入りゲームは『トマトマト』(BGLAB版)。

レビュアー紹介
ゴミの中に宝がある! の勝新イズムで同人ゲームと呼ばれるものならなんでもかんでも遊んでみる性分。遊ぶ気がまったくおきないプロト版から『惨劇ルーパー』を発掘するなど目利きとしての功績は大きいはず、なのだが、同人ゲームファンやデザイナーから軒並み距離を置かれているのは驚異的な人徳のなさと、ブローカー気質が原因か。ゲームは粗ければ粗いほどいいが信条。