マスク・ド・S.G
同人ゲームハンター。同人ゲームが好き過ぎて、少しおかしくなっちゃったこともあったけど、今はもう大丈夫だよ。最近はジップロック詰めの袋系ゲームを夜な夜な開封して中の空気をたっぷり吸引するのが日課に。
ゲーム・カワカミ
フリーライター。アンドールの伝説の面白さがよくわかんないのは、伝説6をまだプレイしてないからだな、きっと。好きなゲームはフルーツニンジャカードゲーム。
マッド・ドッグ・タメラ
ルール超訳家。同人だろうがドメジャーだろうがカッコイイものはなんてカッコイイんだろう主義者。アートワークにとことんこだわるイラスト乞食。今年のベストはもちろんエピックスペルウォーズでやんす!
マスク・ド・コーエンジ
見た目はこわいが、じつはいい超人。第1回世界の七不思議日本選手権王者というゲーム強すぎマンでもある。
ゲームマーケット2013春を振り返る#4
「コンプレックスおじさんは即死確実な『人間ゲーム コンプレックス人狼』」
- タンサンファブリークの『人間ゲーム』は、その日遊べたんだっけ?
- たしか遊べたと思う。あれは、俺、打たれ弱いから無理だな。
- そんなにひどいことを言われるんだ。
- 身体的な特徴は入ってないんじゃない?
- でも、ハゲとかは入ってる。
- それは厳しいよね。
- 俺、ちょっとやりたいかも。
- 『人間ゲーム』ってネットでゲーマーの人に叩かれてたりするんだよね。あんなしょーもないゲームを作ってけしからんっていう論調だったりするんだけど、なんだそりゃって。
- すでにコンプレックスがむき出しになってるっていう。
- 別にゲームセンターあらしがそのまま大人になって公民館に来てるような、俺らのようなヤツらに向けては間違いなく作ってないのに。
- 『人間ゲーム』のプレイ動画を見れば明白だよね。
- そこにはハゲもデブもいないっていう。
- 全員が眼鏡をかけてるわけでもないし、ゲームセンターあらしもいない(笑)。
- 女もいるし茶髪もいるしね。そのへんを一緒くたにすると、UNOとか人生ゲームに怒り出さなきゃいけなくなるんだよね。
- で、面白いの?
- ルールは人狼とはだいぶ違ってて、自分で自分がコンプレックスと思ってるカードを手札から出して、それを人狼が内容を見ながら配置、直して、全員が合ってたら勝ち、合ってなかったら人狼探しがはじまるっていうね。間違ってるとここにおいたのは誰だよ!ってなる。
- それはやる場所選ぶよな。
- いいこちゃんなゲーム会の人が間違ってやって、つらい空気になってほしい。
- 自分は絶対関わりたくないけど。
- 「いいゲームだ!」とか言ってるしょうもない人たちが、なんかの拍子に間違ってやって、とても気まずくなってるのは・・・、たしかに見たい!
- あんた、最悪だな。
- でもゲーマーって基本、シャレが通じない人が多いからね。
- 真面目な人が多いし。
- 俺、こないだ、渋々やったんだけどさ。
- なんだ、すでにやってるのかよ!
- やりたいやりたいって言ってる人がいて、その人がゲーム会に持ってきたんだよ。それでみんなその人に付き合う感じでやったんだけどさ。もうなんか、みんな乗り気じゃないっていうかさ、いやだな、この人、なんでこんなの持ってくんだよって雰囲気のなかやってみたらさ、やっぱきつくて。
- いや、いい場面に出くわすよね。あいかわらず。
- 自分の前に手札から、自分に合ったコンプレックスカードを1枚出したら目をつぶってるあいだに、それを人狼が配り直すんだけど、目を開けたら、その『人間ゲーム』を持ってきた人の前に「バカ」って書いたカードが置かれてたんだよね。それでみんな爆笑して。ゲームとしては結構、破綻してるんだけどさ。
- やりたい、やりたい、ぜひやりたい!って持ってきたやつの前に置かれたカードが「バカ」。
- 満場一致のバカがいたから救われたっていう。
- いや、そこまでは言ってないよ! でもみんなのちょっとやりたくねえなって気持ちが代弁されてたっていうか。でも、その場はその人がいたから助かったけど、あれ、その人がいない場で、間違ってやったらかなりきついよね。人は選ぶと思う。
- 関西だと結構遊べそうなんだけどね。向こうだと自分のコンプレックスを笑いにすることに抵抗がないっていうか。それを笑いに転化してなんぼっていう風潮すらあるからね。
- こっちだとモロ悪口になってしまうけどな。ハゲの人にハゲとか言えないもんね。
- 作った人たちも、関西の人だしね。
- あのゲームで思い出したんだけど、昔、『身体衰弱』ってゲームがあってさ。「部屋の端から端までクロールで往復」とか「選ばれた2人がディープキス」とか、しょーもないことが書いてある神経衰弱なんだけど。2枚合わせて取ったやつが、カードの罰ゲームをやる人を指名できるんだよね。つまり、神経衰弱で王様ゲーム的なことをするゲームで。それを中学生のときに持ってて。思春期の頃って人前でパンツになるのが恥ずかしかったりとかそういうのってあるだろ。いろんなコンプレックスを抱えてて、なおかつお互いを常に監視しててるっていうのもあって。
- 先生のことお母さんって間違えて呼んだだけで半年はネタにされるみたいな。
- そうそう。そんなへんにかっこつけてて、妙な自意識がギンギンにふくれあがったヤツらでそのゲームを遊ぶと、毎回つかみ合いのケンカになって終わるっていう。ブリーフ姿で血だらけになってたりね。
- バカすぎだな。
- いや、実際心が折れそうになるような罰ゲームがいっぱいあるんだよ。でも、数週間したら、またやらない? やろうよ、やろうぜ!って、遊ぶことになって、結局、最後は殴り合いになって終わるんだけど、またしばらくしたらさ、もう1回だけ・・・、やらない?って。
- まさに麻薬ゲーム。
- もうその頃にはちょっとクセになってるっていうね。
- 少年たちは刺激を求めるから。
- そんでさ、こないだ田舎帰ったときに同級生と集まって話してたら、趣味の話になって、みんな、おっさんだから、そりゃ、ゴルフとかギャンブルとかそういう話で盛り上がってるわけ。そんななかで、俺がアナログのゲームをよく遊んでるんだよねって言ったら真顔で「えっ・・・、おまえ、まだあれやってんの!?」って(笑)。やってねえよ!
- わははは。ブリーフ一丁でね。
- でも、「あれ、めちゃくちゃおもしろかったよなー」って全員が言ってんだよね。みんな細部まで覚えてて。ある意味、命がけっていうかさ。刺激的な遊びの一種というか。
- セックス、ドラッグ、『身体衰弱』って。
- いやほんと、確実にその並列にそのゲームがあったんだよね。刺激だけを求めるなら、なんなら他の2つよりも強烈っていうね。だから『人間ゲーム』もそういう思春期ど真ん中のコンプレックスの塊みたいな少年たちが間違えて遊んでトラウマになってほしいよね。遊んだあと、たぶん数日間死にそうになるんだろうけど、数十年後に絶対笑えるから、耐えろ!
- あとは真面目な人らのゲーム会で・・・、ヒヒヒ。
- ほんと、おまえら最悪だな。